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踵の痛み, 各種症状, 足痛 2021.07.08

踵の痛み(シーバー病、セーバー病)
シーバー病、オスグッド

 

成長期の子どもに起こるスポーツ障害の対処法

 

かかとの痛み(踵骨骨端症)又はセーバー病(シーバー病)

10歳前後の男児に多くみられる病気で、かかとの腫れ、圧痛、歩行痛がその症状です。

特に運動の後や、朝起きた時などにかかとの骨の後方に痛みが生じます。

一回の外傷によって発症することは少なく、

明らかな原因が無い中で、

運動中に痛みを訴えることが多いようです。

 

 

小学校の高学年に入ると、子どもたちは成長期を迎えます。

身長が伸びて身体は大きくなりますが、「走る、ジャンプする、踏ん張る」などの力をいれる事で筋肉はギュッと収縮します。

その度にアキレス腱や、

足底腱膜が互いに引っ張り合い、

何度も引っ張り続けられる事で炎症を引き起こします。

また踵骨骨端症の80%の人は土踏まずがないような足(扁平足)が多いとされています。スポーツでは、バスケットボール、バレーボール、長距離マラソン、剣道、体操をする人に多い傾向にあるようです。

 

その成長速度に筋肉が追いつけず、多くの子どもが成長期特有の障害に悩まされ来院されます。

 

骨と筋肉の成長度合の違いが障害の原因

 

 成長期に入った小学校高学年の子どもたちです。

その理由は、成長期における骨と筋肉の成長速度の違い

これが、成長期の子どもたちに起こる障害や症状の大きな原因になっています。

 

 実は骨のほうが成長が早く、筋肉はその成長速度についていけず、

これにより骨が伸びても、筋肉の長さや大きさはそのままなので強く引っ張られるようになり、筋肉は張力が高まって柔軟性を失ってしまう。

 

 このように筋肉がカチカチに固まってしまうと可動域、つまり関節の動きが狭まり、

骨自体は成長中で筋肉との結合部も弱いため、ケガとなります。

 

選手の多くは、こうして骨や筋肉、関節や腱などを負傷しやすく、

スポーツ障害も、その多くがこのような因果関係で起こっています。

 

この時期こそ気をつけなければならないのですね。

 

 成長期の子どもの身体が急速に大きくなることを「グロススパート」と言って、骨が一気に成長している段階で、このときに障害や症状は起きやすいのです。

 

 もちろん、身体の成長には個人差があり、中学生や高校生でもおこります。

指導者や保護者の皆さんは特に注意してあげてください。

 

 関節炎や疲労骨折を起こす可能性が高いと言えます。

 

指導者から「早く復帰してほしい」というプレッシャーをかけられることがあるようですが、私のような医療の立場からすれば、

治り始めた段階で無理をすることはとても勧められませんが、

チーム事情があるので、そこに適したリハビリが必要と言えるのではないでしょうか。

完治までの道筋を立てて説明し、その選手や指導者が納得できる目標を設定することが大切です。

 

 

万が一、大きなケガを負った場合の治療の期間において、大切なことを。

 すべての障害や症状に言えますが、この時はかなり精神的につらく、1~2ヵ月の休養が必要になったとき、ただ休むだけではいけません。

二度と同じ障害が起こらないように、リハビリはもちろんのこと、可能な範囲でストレッチや体幹トレーニングに取り組むなど、〝いまできること〟を行うようにしましょう。

 〝いまの自分に足りないところを教えてくれるサイン〟

 

でもあるのです。ただ休むだけでなく、この大切な時間を過ごしてほしいと思います。

 

早期の発見が、まずは大切です。自己判断をしないで、診断を受けてください。

運動中の痛みを抑えるのに一番効果がありそうなのは「インソール(アーチをサポート)」と「ヒールカップ」です。上記の原因で説明したように、痛みが発生する原因は、アキレス腱と足底腱膜がそれぞれ反対方向に引っ張られることで骨端線の部分に腫れが起こります。そのため、その反対側に引っ張られる強さを抑えることが、痛みを抑えるポイントになります。

かかとの痛みに対して、なぜ「インソール」と「ヒールカップ」が有効なのか?

「インソール」は、土踏まず(=アーチ)をつくることで、走ったりジャンプ後の着地などの際の足への衝撃を和らげ、吸収することを助けます。

インソールによってアーチ(=土踏まず)が出来るということは、足底腱膜が短い状態で保たれるようになり、足底腱膜の過度なストレッチ(伸ばされる動き)を防ぐことが出来ます。従って、かかとの下側で、足底腱膜がかかとの骨をつま先側に引っ張る力を和らげることが出来ます。

「ヒールカップ」はかかとをアキレス腱の上側に引っ張る力を和らげる効果があります。

多くのヒールカップはシリコンのジェルで出来ていて、とてもクッション性がある為、かかとへの衝撃を減らすことが出来ます。またヒールカップをかかとの下に置くことで、つま先よりもかかとが上にあがります。かかとを上にあげることで、アキレス腱が少し短い状態になるため、運動中のアキレス腱の上へ引っ張る力も、少し抑えることができます。

 

ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)のストレッチも踵骨骨端症には有効といわれています。

 

まずは通院を一番の選択肢として考えてほしいと思います。

 そして、適切なリハビリを行う中で、自身の身体の弱点を見つけて補強する。それを繰り返して行えるようにするのが、指導者や保護者の皆さんの役目だと考えます。