ぎっくり腰
朝の洗顔時、腰を伸ばした瞬間に…「ぎっくり腰」
「顔を洗って腰を伸ばした瞬間に激痛が走り、3日間は起き上がることもできなかった。その後も腰を伸ばすと痛くて、車の運転もつらい」このような急に起こった腰痛は「ぎっくり腰」と呼ばれています。
ぎっくり腰は正式の医学用語ではないのですが、「腰仙部挫傷」であり、「急激に発症する強い腰痛の総称」とされております。なお、「重い物を持ち上げようとした時などに起こる激しい腰痛」というイメージが一般的ですが、そうした時にだけ起こるわけではないのです。
このぎっくり腰の原因としては、「大腰筋の捻挫」「腸腰筋の捻挫」「多裂筋の損傷」「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎椎間関節の障害」「腰椎圧迫骨折」などが多のです。
患者さんのなかには、ぎっくり腰はすべて椎間板ヘルニアによると思っている方が多いようだが、決してそうではありません。
「腰椎椎間関節症」である原因のぎっくり腰は、背骨が前方の椎体(椎間板を挟んでいる)、後方にある左右一対の上下関節突起間関節(これが椎間関節、いわゆる「ちょうつがい」である)の三つの関節によってつながりを形作っているが、
この上下関節突起間の関節が変性したり、捻挫を起こしたりして激痛が生じるのが、椎間関節症なのです。関節は滑膜と呼ばれる膜で覆われているが、この膜には神経が豊富に枝を出していることから、障害によって強い痛みを引き起こします。
朝、起きる時に腰がこわばって、動き始めると腰の左右どちらかに痛みが起こり、横になると楽になるといった場合
には、腰椎椎間関節症を疑うべき。
さらには、痛みが存在する部位の 棘突起 (背中に連なっている骨のでっぱり)の脇を押してみて、痛みが強くなるなら可能性があります。
なお、椎間関節症で、関節の機能が低下していたり、椎間板が傷んでいる場合には、慢性化することがあるので、決して放ったらかしておいてはいけません。
ギックリ腰は、『3日激しく痛んで1週間で治まる』というのが一般的な経過です。
腰を痛めた直後の2~3日はかなり強い痛みに襲われます。
しかし日に日に痛みは薄れていき、1週間程度で痛みはかなり楽になります。
1週間以内に約40%の人が回復し、3週間で60~85%、6週間以内に90%の人が回復するというデータがあります。
1か月から1か月半でほとんどの人が完治するということです。
でも場合によってはなかなか治らず、慢性化してしまうこともあります。
はじめの3~7日間の過ごし方で順調に回復するか、長引いてしまうかが決まります。
ではどのような過ごし方をしたら良いのでしょうか?
Q.動いていいの?良くないの?
A.3日以上の安静は回復が遅くなります。できるだけ日常生活を続けるのが回復の早道。
腰を痛めた直後には痛みで動けないか、動くのがとても怖いかもしれません。
まずはあまり痛まない姿勢でしばらく安静にしましょう。
少し休むことで痛みがやわらぐことも多いので、できたら横になって楽な姿勢をとってください。
●横向きで膝を曲げ、身体を少し丸める
●仰向けで膝の下にクッションなどを入れ、軽く膝を曲げる
ただし、3日以上の安静は、かえって回復が遅くなってしまうということがわかっています。
長期にわたって安静を維持したり、仕事や学校を休んだりした場合は回復が遅れます。
数日間の安静でも筋力や体力が低下し、その結果回復が遅くなってしまうのです。
痛みで全く動けないなら別ですが、少しずつ動き、できるだけ仕事や学校、家事など日常生活を続けた方が筋力体力を維持することができて、回復が早いのです。
無理をする必要はありませんが、痛みに負けず(この気持ちが大事!)、できるだけいつもどおりの生活を送ってください。
ストレッチは早期には向きません。日常の動作が楽になってきた段階ではじめてください。しかし、ストレッチをしようとすると強く痛む、またはやったあとにかえって痛みが増す、というような場合はやめておきましょう。
当院での治療
個人差はありますが、電気治療、リハビリはぎっくり腰改善に効果的だといえます。スポーツ選手に処置されるほどの高い炎症緩和効果を持つので、ぎっくり腰の痛み軽減効果が期待できます。また、電気治療は筋肉内の血流を改善して、ストレスをうけ続けた腰をゆっくりとほぐしてゆきます。
初期の段階では熱を取る冷シップ。炎症が収まってきたら温シップに切り替えます。
コルセットの着用も痛みを抑える効果があります。コルセットは腰の動きをサポートし身体を動かす手助けになります。その中で少しずつ動くことが安静時に衰えた筋肉の回復を促します。
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